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国際古書学会の大会で、ニューヨークを中心にアメリカに行ってきた。感じたこと、考えたことがいくつかある。そのことを2〜3週にわたって述べてみたい。
会期中、晩餐会が10回以上開かれた。晩餐会となれば、ホテルで開かれるのが普通である。ところが、ホテルを会場にした晩餐会は1度もなかったのである。
では、どこで開かれたのか。すべてクラブだった。フリックという富豪の自宅が美術館になっているが、そこを封鎖して晩餐会の会場にする、といった具合である。しかも、である。ここでの晩餐会では多くの給仕人がサービスするわけだが、それがすべて白人の男性ばかり、有色人種が一人もいなかったのである。これはどういうことか。
ホテルは高くとも、誰でも行ける場所である。金さえあれば、という前提はつくが、誰でも行けるという意味では、格差のない、平等な場だと言える。だが、そういうものとは隔絶した場を設け、資格を設定してメンバーを制限し、自分たちだけの限られた世界で交流する。それがクラブである。クラブを成立させるベースには、平等とは逆の格差志向があることは否定できない。
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