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福田内閣の発足以来、寂しい思いをしている。いや、私だけではあるまい。ほかにも同じ思いの人は多いに違いない。寂しさの最たるものは、日本の方向性が見えなくなったことである。日本をどうしようというのか。さっぱり判然としない。
安倍前首相の示した方向性は明確だった。「戦後レジームからの脱却」である。これは、東京裁判史観からの脱却ということである。東京裁判史観とは、日本を、人道に反し、平和を乱し、侵略戦争をやった極悪の国と決めつけた東京裁判の判決をそのまま受け入れた史観である。安倍前首相はこれを否定し、真に正しい史観を確立して、そこを基点に日本の未来を確立していこうとしたのだ。安倍前首相がインドを訪問し、東京裁判全面否定の判決書を書いたパール判事の遺族に会ったのは、日本の方向性の重要な意思表示であった。
だが、安倍前首相は健康を害し、遺憾な形で退陣しなければならなかった。これは残念なことだが、それ以上に残念なのは、安倍前首相の退陣とともに、「戦後レジームからの脱却」という日本の方向性まで消えてしまったことである。政権が自民党から他党に移ったわけでもないのに、である。これはどうしたことか。
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